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きつねの少女前編

2015年09月11日 09:04


「これは俺がまだ若かった時の話さ」

ジムニは着ていたキツネの毛皮をテーブルに置いた。

「当時は俺も十八歳で駆け出しの商人だった」

子供たちの中にはすでに寝入ってる者もいる。

そういう子たちにはメアリーが毛布をしずかにかぶせてあげた。

さて、当時の商人としてのジムニは何かを売って儲ける喜びよりも何か経験出来ることへの素晴らしさに重点をおいていた。

ジムニ自身はこの歳くらいが一番楽しかったと言っている。

彼の商人としての始まりは父から学んだ『安く仕入れて高く売る』という言葉を聞かされた時からだったであろう。

そんな彼の家は『バークレイ』というクレソンの町から北に行ったところにある村の商人をやっていた。

彼は十五歳の時には読み書き、計算の勉強を終わらせ、十八歳の時には商人として色んな町にいっては商売を始めていた。

今回の話はそんな彼が商人として馬車に揺られていた時に街道で遭遇した話である。

「もう日が沈むな」

十八歳になるジムニの馬車は東の都ニネベから南方の方へと下がっていた。

南方にはイルスという町がある。

今日はそこに泊まる予定であったがニネベを出る時間が予想以上にかかりすでに日が沈む時間になってしまっていた。

そんなジムニが馬車を走らせていると遠くで人がうずくまっているのが見える。

偶然、日が沈む直前だったためジムニはすぐに馬車を止めることができた。

夜だったらその場を素通りしていたはずだ。

ジムニはすぐに馬車からおり、そのうずくまっている人物の元へと向かう。

「大丈夫ですか!?」

ジムニは声を上げて近づく、するとその人物は顔を上げてジムニを見た。

(お……おんなのこ?)

そこには金色の髪が鮮やかな少女がいた。

「だ……だいじょうぶ」

すぐに少女は歩き出そうとする。

しかし歩き出すとフラフラしていて明らかに危険だ。

ジムニは少女に、

「イルスまで向かうんだが乗っていきますか?」

と声をかけた。

「うん……」

少女は小声でジムニにうなずいた。




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