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きつねの少女後編

2015年09月11日 20:51

きつねの少女後編

街道の風は少し寒い。

乗ると決めるとさっそく荷馬車の座席に座る少女。

ジムニの隣だ。

「お腹が減った……」

彼女はお腹をさすっていた。

「君は一人でどこに向かおうとしてたんだい? もしかして親と離れたのかな」

ジムニは手綱を握り馬車を動かした。

ゆっくりと馬車はイルスの町へと向かう。

「お父さんはいないわ……お母さんはもしかしたらイルスの町にいるかも」

そういうと少女は頭をゆらした。

「……そうか」

ジムニはしずかに馬車を動かす。

「そうだ!!」

少女はとつぜん街道の真ん中で叫ぶ。

「どうしたんだ!急に……」

ジムニはその声に驚いた。

乗っている馬車も少しだけゆれる。

「私、近道を知っているの!」

少女はジムニに顔を近付けほほえんだ。

「近道? この街道は一番イルスに近い一本道だぞ」

そこにはその話を不思議がるジムニと近道を行きましょうと言う少女がいた。

数分後、先程言われた場所から数キロ先には確かに少女の言うような道があった。

だが様子がおかしい。また人がうずくまっているではないか。

ジムニはまた馬車から降りてその人の元へと向かう。

「大丈夫ですか!」

ジムニは話しかけると息をのんだ。

街道の電気灯の下でまたも綺麗な金色髪の女性と出会ったからだ。

女性は三十歳位だろう。

彼女はお腹を押えており、状況は先程の少女と一緒である。

「お腹が減ったわ」

彼女はそう言うとジムニに食料がないかを聞いた。

「一応ありますが」

ジムニは女性に荷馬車に積んであるパンとミルクを渡した。

それを渡すと彼女は微笑んだ。

突然夜の街道で風が吹く。

すると金髪の彼女はいなくなっていた。

「なんなんだ。全く」

馬車に戻るジムニだったがそこには先程まで乗っていた少女の姿もなくなっている。

不思議がるジムニの席にはキツネの毛とクローバーだけがあった。

さて場所は宿屋『サンセット』に戻る。

子供たちは親に連れられ帰るところだ。

どうやら今日の町の集まりは終わりらしい。

「面白いはなしだったわねジル」

「あ……ああ」

ジルとシエラはジムニの話が終わると階段をのぼり始めるところだった。

「ちょっと待っててくれシエラ」

ジルはとつぜんシエラに話かけた。

「え? うん!」

ジルは食堂でいまだコーヒーを飲んでいたジムニに話しかける。

「ジムニさん」

「どうした? ちっちゃいの」

ジルは一瞬迷ったが言うことにした。

「人なんて最初から出てこないでしょ」

ジムニは驚いた顔をした。




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きつねの少女前編

2015年09月11日 09:04


「これは俺がまだ若かった時の話さ」

ジムニは着ていたキツネの毛皮をテーブルに置いた。

「当時は俺も十八歳で駆け出しの商人だった」

子供たちの中にはすでに寝入ってる者もいる。

そういう子たちにはメアリーが毛布をしずかにかぶせてあげた。

さて、当時の商人としてのジムニは何かを売って儲ける喜びよりも何か経験出来ることへの素晴らしさに重点をおいていた。

ジムニ自身はこの歳くらいが一番楽しかったと言っている。

彼の商人としての始まりは父から学んだ『安く仕入れて高く売る』という言葉を聞かされた時からだったであろう。

そんな彼の家は『バークレイ』というクレソンの町から北に行ったところにある村の商人をやっていた。

彼は十五歳の時には読み書き、計算の勉強を終わらせ、十八歳の時には商人として色んな町にいっては商売を始めていた。

今回の話はそんな彼が商人として馬車に揺られていた時に街道で遭遇した話である。

「もう日が沈むな」

十八歳になるジムニの馬車は東の都ニネベから南方の方へと下がっていた。

南方にはイルスという町がある。

今日はそこに泊まる予定であったがニネベを出る時間が予想以上にかかりすでに日が沈む時間になってしまっていた。

そんなジムニが馬車を走らせていると遠くで人がうずくまっているのが見える。

偶然、日が沈む直前だったためジムニはすぐに馬車を止めることができた。

夜だったらその場を素通りしていたはずだ。

ジムニはすぐに馬車からおり、そのうずくまっている人物の元へと向かう。

「大丈夫ですか!?」

ジムニは声を上げて近づく、するとその人物は顔を上げてジムニを見た。

(お……おんなのこ?)

そこには金色の髪が鮮やかな少女がいた。

「だ……だいじょうぶ」

すぐに少女は歩き出そうとする。

しかし歩き出すとフラフラしていて明らかに危険だ。

ジムニは少女に、

「イルスまで向かうんだが乗っていきますか?」

と声をかけた。

「うん……」

少女は小声でジムニにうなずいた。




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